「世界の中のジェンダーや格差」国際連合大学 白波瀬上級副学長 特別講義
11月26日(火)、「世界の中のジェンダーと格差」をテーマに国際連合大学上級副学長で社会学者の白波瀬佐和子先生による特別講義を開催しました。
沖縄大学と那覇市が包括連携協定を締結していることや2024年7月に那覇市と国際連合大学が社会的課題の解決に向けた学術協力に関する了解覚書(MOU)を締結したことで今回の特別講義を開催する運びとなりました。
世界の中のジェンダーや格差を知ることで、沖縄の課題をより広い目で考え、未来を考える機会にしようと、経法商学科の若林先生の協力を得て、「現代沖縄学入門」の講義受講者向けに企画した特別講義は満席で、隣に用意した教室にも同時配信しての開催となりました。本学の学生や教職員だけでなく、那覇市長や副市長、那覇市職員の皆様にもお越しいただき、約250名が参加しました。
白波瀬先生からは、ジェンダーとは、女性または男性であることに関連する経済的、社会的、政治的、文化的な属性や機会と関係しており、その社会的定義は文化によって異なり、時代とともに変化すること、ジェンダー格差は世界共通の課題で、現在の変化のペースでは、ジェンダー平等が達成されるのは132年後との試算があることなど解説がありました。
また、日本における晩婚化や未婚化の結果として人口高齢化と人口減少が進んでおり、ジェンダー格差が少子高齢化と深く関連していること、少子高齢化が進む日本が今後どのような制度を設計し、持続可能な時代をつくっていくのか世界が注目していること、世界共通の課題解決のために国連機関は日本で生まれ育った人材を求めていることなどお話しいただきました。
さらに、「議論はトレーニング!センスは自分でつくるもの」「社会課題解決のためには数字やデータを見ることも大事」など議論する力や統計リテラシーの重要性についても触れられました。
「社会の課題を自分事として考えられるかが大事。社会課題解決のためには想像力が求められる。本を読み、人と会い、いろいろな場所に行ってたくさんの事を吸収し、想像力を磨いてほしい!」とのエールが送られ、特別講義が締めくくられました。